【2026年1月】介護月1万円申請法|ケアマネージャー独自ルートと誓約書活用

2026年1月介護月1万円申請法、ケアマネージャー独自ルートと誓約書活用を解説する介護現場のイメージ

「2026年6月から介護報酬が上がる」

そんなニュースを見て、「それまでは賃上げなし?」と思っていませんか。

実は違います。2025年12月から2026年5月までの半年間、すでに「月額1万円相当」の賃上げ支援が動いています。

ただし、この支援は「報酬改定」ではなく「補正予算による補助金事業」です。つまり、手続きをしなければ1円ももらえません。しかも、毎月振り込まれるわけではなく、一括交付という独特の仕組みです。

この記事では、現場の経営者や事務担当者が今まさに直面している「手続きの落とし穴」と、特にケアマネや地域包括支援センターに関わる独自ルールについて、最新情報をもとに解説します。


「毎月1万円振り込まれる」は誤解|一括交付の仕組み

「12月の報酬額で計算するって、どういうこと?」 実施要綱を読んで、最初にこう思った事務担当者は多いはずです。

実は、私も最初は混乱しました。

実際は違います。

補助金は半年分を一括で交付

この支援事業では、2025年12月の介護報酬額を基準に、サービスごとの「交付率」を掛けた額を6か月分として計算し、一括で交付します。

つまり、補助金が入るタイミングは1回。

その後、事業所が半年間にわたってスタッフへの賃金改善を行う、という流れです。

資金繰りへの影響

「毎月入金がある」と思い込んでいると、キャッシュフローの計算が狂います。

一括で受け取った補助金を、どう配分し、どう賃金に反映させるか。

その計画を立てておかないと、後半で資金が足りなくなる、といったトラブルも起こりえます。


ケアマネージャーの「2つの取得ルート」

ケアマネージャーの賃上げ補助金申請2ルート比較図、生産性向上ルート(推奨)と処遇改善要件ルートの違い
ルートA(システム導入)が最もハードルが低い選択肢

今回の支援事業で最も注目すべきは、これまで処遇改善の対象外だったケアマネージャー(以下、ケアマネ)が、一律15.0%の交付率で対象になったことです。

ただし、取得方法は訪問介護などとは異なり、2つのルートから選択する仕組みになっています。

ルートA:生産性向上ルート(推奨)

これが最もハードルの低い選択肢です。

要件
「ケアプランデータ連携システム」に加入していること(または社会福祉連携推進法人に所属していること)。

メリット

  • 面倒なキャリアパス要件や賃金体系の整備が不要
  • システム導入だけで要件クリア
  • システム利用料は国費で実質無料化される方針

多くのケアマネ事業所にとって、このルートAが最も現実的な選択肢になります。

ルートB:処遇改善要件ルート

システム導入を行わない場合、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 職責に応じた賃金体系・任用要件の整備と書面化(就業規則等)
  • 研修計画の策定と実施
  • 職場環境等要件の実施

ルートBは、すでに賃金規程や研修体系が整備されている事業所であれば選択可能です。

一方、多くの小規模事業所にとっては、ルートAのシステム導入の方が負担が少ないといえます。


「今は要件を満たしていない」事業所への救済措置

誓約書を活用した介護施設向け救済措置プロセスフロー図、要件未達から補助金取得までの4ステップ
誓約書で要件未達でも12月分から遡って対象に

「12月時点でケアプランデータ連携システムが入っていない」
「賃金規定の改定が間に合わなかった」

そんな事業所も、諦める必要はありません。

「誓約書」による突破

手続き時点で要件を満たしていなくても、「実績報告書の提出まで(事後)に対応する」と誓約すれば、12月分から遡って補助金の対象になります。

これは非常に重要なポイントです。

「うちはまだシステムが入っていないから、対象外だ」と諦めてしまうのは、機会損失そのものです。

誓約書の入手方法と提出先

誓約書の様式は、各自治体の介護保険担当課窓口で入手できます。

提出先も同じく、所轄の介護保険担当課です。

例えば、今すぐシステムに加入できなくても、誓約書を出して補助金を確保し、半年後の実績報告までに導入を完了させればOKです。

実績報告の提出期限は2026年6月30日までです。

この「誓約書」という仕組みを知っているかどうかで、数十万円単位の補助金を取り逃すかどうかが決まります。


地域包括支援センターは対象になる?

現場で混乱を招いていた「地域包括支援センターの職員は対象か?」という疑問に対し、厚生労働省は2026年1月21日のQ&Aで明確な基準を示しました。

判定基準

設置者が「指定介護予防支援事業者」としての指定を受けている場合は対象となります。

対象外のケース

単なる委託業務のみで指定を受けていない場合などは対象外となる可能性があります。

自事業所の指定状況を確認する必要があります。

この判定基準は、2026年1月21日に公開された最新のQ&Aで初めて明確化されたものです。

それまで「地域包括は対象なのか?」という問い合わせが各自治体に殺到していましたが、ようやく公式見解が示されました。

自事業所が該当するかどうか不明な場合は、所轄の自治体窓口に確認することをおすすめします。


2026年6月改定への「助走」を失敗しないために

この半年間の緊急支援事業は、2026年6月から始まる本格的な報酬改定(処遇改善加算の恒久化)への「助走期間」です。

3ステップで制度変更に対応する

ステップ1:まずは「誓約書」を活用して直近の補助金を確保する
要件未達でも、誓約すれば12月分から遡って対象になります。

ステップ2:半年間の猶予中に「ケアプランデータ連携システム」等のDX要件をクリアする
システム利用料は実質無料。この機会に導入を進めましょう。

ステップ3:2026年6月からの新加算(処遇改善加算Ⅰロ・Ⅱロなど)へスムーズに移行する
今回の準備が、6月以降の加算取得の土台になります。

制度変更を「負担」ではなく「チャンス」に変える

この3ステップを踏むことで、制度変更による事務負担増を最小限に抑えつつ、最大限の加算を取得することが可能になります。

特にケアマネージャーを抱える事業所は、今回の「ルート選択」が今後の経営戦略の試金石となります。

システム導入という初期投資を嫌がる経営者も多いですが、利用料が実質無料化される今のタイミングを逃すと、6月以降に同じ要件を満たすために自費でシステムを導入する、という事態にもなりかねません。

「今やるか、後でやるか」ではなく、「今やるか、やらないか」の選択です。


まとめ:手続き漏れで損をしないために

2025年12月から2026年5月までの半年間、介護職員への月額1万円相当の賃上げ支援が実施されています。

ただし、この支援は自動的に振り込まれるものではなく、事業所が手続きをしなければ1円ももらえません。

特に以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 補助金は「毎月振込」ではなく「一括交付」
  • ケアマネは独自の2ルート(データ連携 or 処遇改善)から選択
  • 要件未達でも「誓約書」で取得可能
  • 地域包括は「指定介護予防支援事業者」の指定があれば対象

重要:申請期限について
申請受付は開始されていますが、期限は自治体ごとに設定されているため、早めの手続きを推奨します。

詳細は所轄の介護保険担当課にご確認ください。


手続きに関するお問い合わせ先

詳細な手続き方法については、以下の窓口にご確認ください。

厚生労働省

「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」実施要綱
計算式や必要書類の詳細については、厚生労働省の公式通知をご確認ください。

各都道府県・市区町村の介護保険担当課
申請様式、提出方法、申請期限など、具体的な手続きについては所轄の窓口にお問い合わせください。 また、制度の概要やケアマネ独自の申請ルートについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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