厚労省「協働化・大規模化ガイドライン」公表。介護業界の働きやすさは本当に変わるのか

介護業界の協働化・大規模化ガイドラインに対する朝焼けの視点、働きやすさは規模ではなく設計思想で決まる

「介護業界で長く働きたいなら、大きな法人を選んだ方がいい」

そんな話を聞いたことがあるかもしれません。規模が大きければ経営が安定する。研修制度も整っている。だから長く働ける。一見、筋が通っているように聞こえます。

2026年1月30日、厚生労働省は「介護現場の働きやすい職場環境づくりに向けた経営の協働化・大規模化の進め方ガイドライン」を公表しました。事業所間の連携強化や経営規模の拡大によって、人材確保や業務効率化を進めようという内容です。

合同研修によるスキルアップ、事務作業の共同化、災害時の連携体制づくり。こうした取り組みが現場にプラスになることは間違いありません。

ただ、このガイドラインを読み終えたとき、一つの問いが残ります。

「協働化や大規模化を進めれば、介護現場は本当に働きやすくなるのだろうか」

規模を大きくすること、連携を強化すること。それ自体は手段であって、目的ではありません。働きやすさの本質は、別のところにあるのではないか。

月140時間、150時間と働いて、身体も気持ちも削られていく。そんな日々を送っている方にとって、「大規模化すれば安定する」という言葉は、どこか遠い話に感じられるかもしれません。

この記事では、厚労省のガイドラインを読み解きながら、「働きやすさとは何か」を別の角度から考えてみます。


ガイドラインの概要:国が示す「協働化・大規模化」とは

まず、今回のガイドラインの内容を整理します。

厚生労働省によると、「協働化」とは、複数の法人や事業所が組織的な連携体制を構築し、間接業務の効率化や施設・設備の共同利用、人材確保・育成、災害対応、地域貢献などを協働して実施していくことを指します。

一方、「大規模化」とは、利用者定員の拡大や事業所の増設、介護保険サービスやその他事業への展開、複数法人間での合併や事業譲渡などにより、経営規模を拡大することを意味します。

ガイドラインでは、全国16箇所の実践事例をもとに、協働化・大規模化の進め方が段階的に整理されています。

協働化については、「仲間をつくる」「協働化を検討する」「協働し、PDCAを回す」という3つのステップ。大規模化についても同様に、検討から実施、振り返りまでの流れが示されています。

厚労省が実施したアンケート調査では、協働化の効果として「合同研修等を通じ、職員のスキルアップをしやすくなった」「自事業所のサービス提供の効率化が図れた」といった回答が多く挙げられました。大規模化の効果としては、「年間売上高が増加した」「サービス提供の効率化が図れた」という声が報告されています。

小規模事業所が単独では難しい研修機会の確保や、ICTツールの共同導入、災害時の相互支援体制の構築など、協働化によって得られるメリットは確かに存在するでしょう。


このガイドラインが「触れていない問い」

ここまで読むと、協働化・大規模化は介護業界の課題を解決する有効な手段のように見えます。実際、そうした側面はあるはずです。

しかし、一つ気になる点があります。

このガイドラインは、「経営の安定」「業務の効率化」「スケールメリット」という軸で介護業界の課題を捉えています。そして、その解決策として協働化・大規模化を提示しています。

では、「なぜ介護業界で人材が定着しないのか」「なぜ現場のスタッフが疲弊するのか」という根本的な問いには、どこまで踏み込んでいるでしょうか。

ガイドラインのタイトルには「働きやすい職場環境づくり」という言葉が入っています。けれども、その中身を読むと、主に経営効率化や連携体制の話が中心となっています。

現場で働く一人ひとりのスタッフが「この仕事を続けたい」と思えるかどうか。その答えは、規模の大小や連携の有無だけでは決まらないのではないか。

毎月のシフト表を見るたびに、「また今月も厳しいな」と感じる。休みの日も疲れが抜けず、次の出勤のことが頭から離れない。そんな状態が続いているとき、「うちの法人が大規模化すれば楽になる」と言われても、実感が湧かないのは当然かもしれません。


「月100〜110時間」という選択

朝焼けの月間サービス提供時間100〜110時間と介護業界平均140〜160時間の比較、約30時間の差
朝焼けは月100〜110時間、業界平均より約30時間少ない働き方を実現

株式会社朝焼けは、東京都中野・練馬・杉並エリアで障害福祉サービスを提供している事業所です。

スタッフの月間サービス提供時間は、基本的に100〜110時間。介護業界の平均が140〜160時間と言われる中で、約30時間以上少ない設計になっています。

この数字は、偶然そうなったわけではありません。

「もっとシフトを入れてほしい」という要望に応えれば、短期的には人手不足を補えるかもしれない。けれども、それを続ければスタッフは疲弊し、離職につながる。そしてまた人手不足に戻る。

この悪循環を断ち切るために、朝焼けでは「無理なく長く続けられる働き方」を優先しています。スタッフ一人ひとりの生活を守ることが、結果として利用者様へのサービスの質を守ることにもつながる。そう考えているからです。

月1日からの勤務も可能で、副業やWワークも歓迎しています。本業を持ちながら週末だけ働く方、子育ての合間に数日だけシフトに入る方、定年後に福祉の仕事を始めた方。さまざまな背景を持つスタッフが、それぞれのペースで働いています。

資格取得費用は会社が全額負担。交通費も全額支給され、移動支援スタッフには食事手当もあります。

こうした制度は、「大規模化したから実現できた」というものではありません。「スタッフが無理なく働ける環境をつくる」という設計思想が先にあり、その思想に基づいて一つひとつ整えてきた結果です。


「一緒に楽しむ」という仕事

朝焼けの事業の約7割は、ガイドヘルパー(移動支援)です。利用者様と一緒に外出し、余暇活動をサポートする仕事が中心となっています。

行き先は、動物園、水族館、映画館、カラオケ、ショッピングモール。利用者様が「行きたい」と思う場所に、一緒に出かけます。

ある日、動物園でキリンを見ていたときのこと。隣にいた利用者様が、じっとキリンを見上げながら、小さな声で「大きいね」とつぶやいた。その一言に、思わず「本当に大きいですね」と返した。それだけのやり取りでした。

けれども、その瞬間、同じものを見て、同じことを感じている。その実感が、ふっと胸に残ることがあります。

介護や福祉の仕事というと、「大変そう」「体力がいりそう」というイメージを持つ方も多いかもしれません。もちろん、身体介護や生活支援の現場では、そうした側面もあるでしょう。

ただ、ガイドヘルパーの仕事は少し違います。利用者様の「やりたいこと」に寄り添い、一緒にその時間を過ごす。「支援する側」と「支援される側」という関係を超えて、同じ体験を共有する。そんな瞬間が、この仕事にはあります。


「効率化」では測れないもの

動物園でキリンを見るガイドヘルパーと利用者様、一緒に体験を共有する関係性
利用者様と一緒に体験を共有する、朝焼けのガイドヘルパーの仕事

ガイドラインが示す「効率化」という言葉について、もう少し考えてみます。

書類作成、情報共有、シフト管理など、間接業務を効率化することには意味があります。そこに時間を取られすぎると、利用者様と向き合う時間が削られてしまうからです。

ただ、「効率化」という言葉が、利用者様との関わりそのものに適用されるとき、少し違和感が生まれます。

水族館のイルカショーを、利用者様と一緒に見ている時間。イルカがジャンプするたびに、隣から「おお」という声が聞こえる。その声につられて、自分も思わず見入ってしまう。

この時間を「効率化」することに、どんな意味があるでしょうか。

利用者様にとって、外出は「当たり前の権利」です。けれども、障害のある方が一人で外出することには、さまざまなハードルがあります。周囲の視線が気になる、移動の手段が限られる、急な体調の変化に対応できない。そうしたハードルがあるからこそ、ガイドヘルパーという存在が必要とされています。

朝焼けは「社会」と「障害者」の架け橋になることをミッションに掲げています。利用者様の「自分で出来ることを一つでも多く増やす」支援を通じて、社会参加や自立を後押しする。その積み重ねが、社会全体の見方を少しずつ変えていく。

数字には表れにくいかもしれません。けれども、利用者様が「また行きたい」と言ってくれたとき、「次はどこに行こうか」と一緒に考えているとき、この仕事を選んでよかったと感じる瞬間が確かにあります。


「規模」ではなく「設計思想」

今回のガイドラインは、協働化や大規模化を「選択肢の一つ」として提示しています。国が強制しているわけではなく、各事業所が自らの状況に応じて検討することを促す内容です。

その意味で、ガイドライン自体を否定する必要はありません。合同研修やICTの共同導入、災害時の連携など、協働化によって得られるメリットは実際にあるでしょう。

ただ、「大規模化すれば安定する」「効率化すれば働きやすくなる」という図式だけでは、現場で働くスタッフの実感とずれが生じることもあるのではないでしょうか。

朝焼けは、規模を急いで大きくすることよりも、今いるスタッフが無理なく働ける環境を守ることを優先しています。その結果として、月100〜110時間という働き方が続いています。

働きやすさは、規模の大小ではなく、設計思想で決まる。

もちろん、これが唯一の正解だとは言いません。大規模な法人で安定した環境を得ることが合っている方もいるでしょう。協働化によって研修機会が広がり、スキルアップにつながる方もいるはずです。

大切なのは、自分に合った働き方を選ぶことです。そして、選択肢は一つではないと知っておくことかもしれません。


どんな人に向いているか

ここまで読んで、「自分に合うかもしれない」と感じた方は、次のような背景を持つ方かもしれません。

介護や福祉の経験がある方で、長時間労働や過密なシフトに疲れを感じている。休みの日も身体が重く、「このままで続けられるだろうか」と考えることがある。そんな方にとって、朝焼けの働き方は一つの選択肢になり得ます。

福祉に興味はあるけれど、本業や家庭の事情でフルタイムは難しいという方。月1日からの勤務が可能で、副業やWワークも歓迎しているため、自分のペースで始めることができます。

「お金を稼ぐだけでなく、何か意味のある仕事がしたい」と感じている方。利用者様と一緒に外出し、同じ時間を過ごす中で、「誰かの役に立っている」という実感を得られる仕事です。

未経験でも問題ありません。資格がなくても、会社が取得費用を全額負担しています。「介護の資格を持っていないから」という理由で諦める必要はありません。


気になったら、まず話を聞いてみてください

介護業界の課題を解決する方法は、一つではありません。協働化や大規模化が有効な場面もあれば、働き方の設計を変えることで解決できる問題もあります。

どちらが正しいという話ではなく、自分に合った環境を選ぶことが大切です。

朝焼けの働き方が気になった方は、まず話を聞いてみてください。説明会や見学も受け付けています。「ちょっと気になる」くらいの段階で構いません。


介護・福祉業界で「無理なく続けられる働き方」を探している方へ

国が「協働化・大規模化」を推進する流れの中でも、「スタッフが無理なく長く働ける環境」を軸に据えている事業所があります。

株式会社朝焼け(東京都中野・練馬・杉並エリア)は、障害福祉サービスを提供しながら、以下のような働き方を実現しています。

・月100〜110時間のサービス提供時間(介護業界平均より約30時間少ない) ・副業・Wワーク歓迎、月1日からの勤務OK ・資格取得費用は会社が全額負担 ・交通費全額支給、移動支援スタッフには食事手当あり

事業の約7割がガイドヘルパー(移動支援)です。動物園や水族館、映画館などへの外出支援を通じて、「障害者と一緒に楽しむ介護」を日々実践しています。

働きやすさと社会貢献を両立したい方は、ぜひ一度ご覧ください。

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